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2025年07月17日

宿泊業の今とこれから

#コラム

宿泊業のこれまでとこれから

皆さんは旅行で旅館やホテルに泊まった経験はありますか?
宿泊先で過ごした時間が旅先の思い出として印象深い方もいるのではないでしょうか。
実は宿泊業が大きく進化し、未来に向けた挑戦が始まっています。

宿泊業の現在

  • 2024年の宿泊業界は、インバウンド需要の本格回復と国内旅行の多様化により、過去最高の市場規模を記録しました。
  • 地域資源を活かした体験型サービスや、デジタル化による業務効率化が進み、業界全体が新たな成長フェーズへと突入しています。

■ インバウンド需要の本格回復
2024年の訪日外国人旅行者数は前年比47%以上増加し、過去最高の3,687万人を記録。日本は世界中の旅行者にとって魅力的な選択肢となっています。旅館から高級ホテル、ビジネスホテルまで、幅広い施設で稼働率が改善し、宿泊単価の上昇も見られました。

 

■ 国内旅行の多様化と地域活性化
国内旅行も好調で、地域資源を活かした「体験型観光」が注目を集めています。地元食材を使ったグルメ体験や伝統工芸のワークショップなど、地域ならではの魅力が再評価に加えて観光客の分散化を促進し、宿泊業が地域活性化に貢献しています。

 

■ デジタル化と省人化の進展
宿泊業の需要が回復する一方で、人手不足が課題となっています。そこで、デジタル技術の導入による省人化、省力化への取り組みが加速しています。自動チェックイン機や予約管理システム、清掃ロボットなどの導入により、サービス品質を保ちながら業務効率化が進んでいます。また、短時間勤務やフレックスタイム制度、勤務間インターバル制度の導入など、柔軟な働き方の導入による職場環境の改善も進んでいます。

 

■ 宿泊業の社会的役割の拡大
宿泊施設は単なる「泊まる場所」に留まらず、「癒し」や「学び」、「地域とのつながり」等の新しい価値を提供する場へと役割が拡がっています。心身の健康を高めることを目的としたウェルネスツーリズムや、年齢・障がい・言語・文化などに関係なく、誰もが安心して楽しめるユニバーサルツーリズム、旅先やリゾート地で仕事をしながら休暇も楽しむワーケーション等の推進により多様な目的に対応し、誰もが旅を楽しめる社会づくりに貢献する存在として、宿泊業の価値はますます高まっています。

 

2024年は、宿泊業界がコロナ禍の影響を乗り越えつつあり、未来に向けて力強く歩み始めた一年でした。それ以上に希望と可能性に満ちた動きが多く見られました。2025年以降も、宿泊業が社会にとって必要不可欠な存在として、さらに進化していくことが期待されます。

これからの宿泊業 進化と多様化が加速!

  • 今後の宿泊業界は、インバウンド需要のさらなる拡大と宿泊スタイルの多様化により、活気ある成長が期待されています。
  • 大阪万博や世界陸上、デフリンピックなどの大型イベントを背景に、国内外の旅行者が増加し、個性や話題性を重視した宿泊スタイルの多様化が進んでいます。
  • 効率化とおもてなしの両立が求められる中、AIやDXの導入により、宿泊業は価格や設備だけでなく、体験価値で選ばれる時代へと変化しています。

■ インバウンド需要のさらなる拡大
2025年は、アジア太平洋地域の旅行者数が39億人に達する見込みで、日本への訪問者数も右肩上がりに増加しています 。大阪万博や世界陸上などの国際イベントが開催されることで、都市部だけでなく地方にも観光客が流入し、地域経済の活性化にもつながると期待されています。

 

■ 宿泊スタイルの多様化と新規参入の加速
従来の旅館・ホテルに加え、貸別荘スタイルやアパートメント型宿泊施設が増加。他にはない個性的なコンセプトのホテルや異業種とコラボした施設やサービスなど、話題性のある新規参入も増え、宿泊体験の選択肢が広がっています。

 

■ AIによるスマートオペレーションやDX導入による進展
宿泊業におけるDXの導入やAIの進展は、今後ますます加速していくと予測されています。AIによる顧客に合わせた周辺の観光施設やレストラン等の情報提供、AIチャットボットでの問い合わせ対応などのオペレーションの自動化、レベニューマネジメント(需要予測と価格戦略を活用し、客室・座席などから最大限の収益を得るための経営手法)による価格最適化、IoTデバイスによる施設管理などが進み、業務効率化と顧客満足度の向上を両立する動きが広がっています。一方で、AIの活用が進む中でも、より質の高いおもてなしや、顧客一人ひとりに寄り添った体験価値の提供が、これまで以上に重要になっていくと考えられます。

 

■ マーケティング視点の重要性
需要回復に伴い宿泊施設が増加し、今後競争が激化すると予想されています。こうした環境の中、宿泊施設は「新しい価値やトレンドの創出」、「ニーズを予測し、先回りしてサービスや商品を提供する考え方」等マーケティングの重要性が高まっています。価格や設備による差別化だけではなく、顧客の価値観に寄り添った体験や、そこでしか得られない価値の提供が求められています。SNSや口コミを活用したコミュニケーション戦略も、ブランド力の構築に欠かせない要素となっています。

まとめ

宿泊業は、インバウンドの拡大、宿泊スタイルの多様化、AI・DXの進展など、業界全体が新たなステージへと進んでいます。宿泊業は、旅の「目的地」としての価値を高めながら、社会にとって必要不可欠な存在として、期待されています。

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